人の痛み・動物の痛み


動物が病気になり、体のどこかに苦痛を感じている場合、正常なときに比べて毛づやが悪いとか目が潤んで力がないとか、耳が垂れているなどの変化が現れる。

 

 チンパンジーは頭が痛いときは頭を抱え、馬はお腹が痛くなると自分のお腹を蹴ったり地面を転げまわったりする。また、動物のがんや出産はあまり痛まないといわれている。

 

 これに比べて人間は「ことば」を持っているため、「ことば」のやりとりでどこが悪いか、どこに痛みがあるかを伝えることができる。

 しかし同じ「痛い」という表現も、がん患者の衰えゆく心身に対する不安や、死に対する恐怖感や、独居のお年寄りが周りに疎外されている不満、子供の母親に対する甘えなど痛みの内容はさまざまである。

 また、出産の痛みのように痛いものだという先入観が痛みを増幅している場合もある。

 痛みに対する処置も、投薬で治るものもあれば手術が必要なものもある。また、薬が効かない痛みでも、話を聞いてあげたり背中をさすってあげるだけで消えてしまうものもある。

 人の痛みを治療するものとして、全身の表情や表現を見て「痛み」を診断する能力と、「痛い」という言葉をコミュニケーションによって分析する能力、この両方の能力を兼ね備える必要を私は毎日痛感している。

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