人生の終わりに


往年の名スターで西部劇の王者といわれたジョン・ウェイン氏は、がんであることを知り、「俺はがんをやっつけてやるぞ」と積極的にがんに立ち向かい、自ら進んで新しい治療法の実験台を買って出た。最期に地球上からこんな苦しい病気を撲滅しなければとがん基金創設に情熱を燃やし、壮絶にがんと闘いながら亡くなり、「さすが西部劇の王者」とみんなから賞賛された。

 一方、日本のタフガイ、石原裕次郎氏はがんであることを知らされず、最期は何となく寂しい死であったように思われる。

 最近になって兄の石原慎太郎・東京都知事、妻のまき子さん、友人たちみんなが「やっぱり、がんを告知してもっと好きなことをさせてやりたかった」と言っている。広い心を持ち、大変勇敢であった裕次郎氏なら、最後に大好きな映画を製作し、後世に残る大仕事をやってのけたに違いない。

  

 患者や家族がどのように死に向かい合うかは、われわれ医療者側がはっきりとした死生観を持ち、もっと勇気を持って粘り強くがん告知を説得し、お互いに心を通わせ、悔いが残らないよう励まし支え合うことが大切である。

 最近は日本でも、ホスピスがあちこちに作られ、感動ある死、心に残る死に接する機会が多くなっているのは素晴らしいことである。

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