医学教育


大学医学部は、内科、外科、などの「臨床医学」、解剖学、生理学などの「基礎医学」、そして衛生学などの「社会医学」と、三つの分野に分かれている。そして、それぞれの分野で医学に関する研究、教育、診療が行われている。

 中でも、社会医学は一般にはあまり聞き慣れない分野ではあるが、病気の発生や予防についての研究、環境と病気のかかわりやストレスに関する研究などが行われている。日本人の疾病構造の中で生活習慣病が大半を占めるようになっている今日、非常に大切な分野となっている。

 外国で新型肺炎(SARS)という新しい感染症が猛威を振るい、いつ、日本に上陸してくるかわからなくなっていること、また若者の自殺が死亡率の上位を占めるなど、現在文明社会のゆがんだ構造の中から発生している疾病は、年々かたちを変えて私たちを襲っている。

 このような時代に医学教育がどのような役割を果たせばよいか。臨床医学で診療の技術を磨くことも大切であるが、従来の教育のほかに病気が発症する背景となる社会環境を十分理解するため一般常識を身につけたり、人の心を思いやる優しい心と高い人格を形成する教育が必要であり、社会の仕組みに目を向けられる幅広い視野を持った医師を育てることが急務となっている。

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